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104:【企業向け】ウクライナにおける戒厳令期間中の知的財産についての利益の保護に関する法律(第7228号)の成立に伴う今後の知的財産関係手続について

2022年4月1日、ウクライナ立法府(ヴェルホーヴナ・ラーダ(Verkhovna Rada))において、戒厳令期間中の知的財産についての利益の保護に関する法律(第7228号)が成立しました。

これにより、知的財産権の保護期間や、知的財産権を取得するにあたっての手続上の期限については保留されることとなりました。

また、これに伴い関係当事者には、出願・請願・異議申立・応答等の書面の提出について、戒厳令が解除された後90日間の猶予期間が与えられることになっています。この期限の延長又は更新に関しては、追加手数料は必要ないものとされます。

ちなみに、現地からの情報によれば、ウクライナ国内における紛争は継続しているものの、ウクライナ知的財産庁は業務を継続しており、商標や特許等についての新規出願は、直接出願・国際出願のいずれとも、継続して受理されている状況です。

ただし、現在はオンラインによる手続のみが認められており、原本が必要な手続については、スキャンしたデータを提出しておき、紛争終結後に原本を提出することとされています。

このことは、ウクライナ知的財産庁から発行される登録証についても同様で、紛争終結前の段階では、登録証の電子データのみが送付されることとなっています。

現時点では上記の通り直接出願も可能とはなっていて、かつ銀行も稼働しているようではありますが、情勢の変化が読めない状況ですので、もし近いうちにウクライナにおける商標登録を希望される場合には、国際出願(マドプロ出願)を検討されると良いかと思われます。

国際出願(マドプロ出願)をする場合は、日本国特許庁を通じてスイスのジュネーブにある世界知的所有権機関(WIPO)に願書を送付し、WIPO経由で手続を行います。料金の支払いもWIPOに支払うことになりますので、少なくともウクライナ国内の銀行の稼働状況には左右されません。

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