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006:【初心者向け】商標登録に向けて出願した後に送られてくる2種類の審査結果のお知らせ(登録査定と拒絶理由通知)

「知的財産は難しい」とよく言われます。このblogは、知的財産に関する疑問・悩みに答えていく「解説」記事です。「知的財産が分かった」を目指して、すっと理「解」していただけるように噛み砕いて「説」明していきます。

さて、今日のお題は「商標登録に向けて出願した後に送られてくる2種類の審査結果のお知らせ(登録査定と拒絶理由通知)」です。

目次


  • 特許庁に願書を出すことを「出願」と言います
  • 最近の審査期間は半年から一年程度
  • 審査を通過すれば登録査定。引っ掛かると拒絶理由通知
  • 拒絶理由通知を受けとったら

特許庁に願書を出すことを「出願」と言います


前回の記事で、商標登録は、商品名やサービス名だけではなく、会社名や屋号についても必要だということをお伝えしました。今回は、実際に手続きをした場合にどうなるのか、ということをお伝えしたいと思います。

商標登録を受けるためには、特許庁という役所に「願書」を提出します。特許庁に願書を提出すると、その願書の提出日を基準として、審査がなされます。

実務的にはこの提出日が非常に大切で、他人が1日でも早く願書を出していた場合には、他人が優先してしまうので、できるだけ早く願書を提出することが大切です。

この、願書を提出することを「出願」と言います。「願」書を提「出」するから「出願」です。

世の中には、「商標の申請」というように伝えている記事もあるようですが、特許庁では審査がされますので、「申請」ではなく「出願」が正しいです。細かいようですが、どちらも法律用語ですので、正しく使いたいものです。

最近の審査期間は半年から一年程度


さて、特許庁に出願をしますと、順番に審査がされます。2021年9月時点で、早くて6ヶ月、案件によっては12ヶ月程度、審査に時間がかかっています。

特別に「早期審査」を請求すると、2ヶ月程度で審査結果が出ることもありますが、いずれとしても、出願をしてからしばらくは「待ち」の状態が続きます。

ただ待っていれば自然と登録証が送られてくるのであれば良いのですが、前述のように、特許庁では登録を認めるかどうかの審査がなされます。

審査内容は様々で、他人の商標と似ていないかであるとか、そもそも商標として機能するものなのかどうかなど、20以上の審査項目があり、全てをパスする必要があります。

審査を通過すれば登録査定。引っ掛かると拒絶理由通知


そして、これらの審査項目をパスすると(=登録できないという理由がない場合)、特許庁から「登録査定」という通知が送られてきます。

登録査定が出たらあと一息です。30日以内に登録料を納付することで、商標登録がなされ、登録証が送られてきます。

一方、一つでも審査項目で引っ掛かると、特許庁から「拒絶理由通知」が送られてきます。

我々専門家の立場では、それほど珍しい書類ではないので、これが送られてきてもあまり驚かないのですが、初めてこうした書類を受け取ると大変に驚かれる方がいらっしゃるのも事実です。

確かに、拒絶の理由を通知する書面ですから、少々物々しいような気もします。

拒絶理由通知を受けとったら


ここで、「拒絶理由通知」を受け取った場合には、40日以内に反論をしたり、願書の内容を修正したりして、「拒絶理由」の解消を試みることができます。

実際には、願書の記載を修正するだけで解消することもしばしばありますし、反論が功を奏することも少なくありませんので、「拒絶理由通知」を受け取っただけで諦めるのは早いと言えます。

反論や修正などの応答により、「拒絶理由」が解消すると、「登録査定」が送られてきます。

このため、まずは「拒絶理由通知」に書かれている内容を確認し、審査官の判断が確かに正しいか、反論の余地がないかなど、対策を練ることが必要です。

対応しない場合、「拒絶理由通知」の内容が確定し、「拒絶査定」という最終処分がなされることになります。そして、「拒絶査定」に対しても何も対応をしないと、「拒絶査定」が確定することとなり、出願がなかったものとなります。

こうならないためにも、特許庁の判断に対して対応はきっちりとしたいものです。

出願も対応も、もちろんご自身で行うことも可能ではありますが、願書の記載内容の作り方や「拒絶理由通知」への応答の仕方にも巧拙がありますので、ご不安であれば、商標専門の弁理士にご相談・ご依頼されることが良いのではないかと思います。


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