わかって納得の知財ブログ

049:【事業者・士業向け】起業・新規事業の立ち上げをしようと思ったら真っ先に弁理士に相談すべき理由

「知的財産は難しい」とよく言われます。このblogは、知的財産に関する疑問・悩みに答えていく「解説」記事です。「知的財産が分かった」を目指して、すっと理「解」していただけるように噛み砕いて「説」明していきます。

さて、今日のお題は「起業・新規事業の立ち上げをしようと思ったら真っ先に弁理士に相談すべき理由」です。起業を考えたとき、まずどこに相談することを考えるでしょうか。

資金が気になれば銀行、税務が気になれば税理士、許認可関係であれば行政書士、法人設立であれば司法書士といったところでしょうか。経営計画などでは中小企業診断士も関わってくることでしょう。

しかし実は、真っ先に弁理士に相談した方がいい理由があります。

目次


  • 看板なしでビジネスを始めますか?商標のクリアランスは最優先に
  • 売りたいものはなんですか?それ、特許権や意匠権で守れるかもしれません
  • 資金計画には知的財産の権利化費用も入れましょう

看板なしでビジネスを始めますか?商標のクリアランスは最優先に


ビジネスをしようとするとき、まず商品名やサービス名を考えますね。また、シンボルマークを作ることもあるでしょう。さらには、その事業を、個人事業として行うのであれば屋号を、会社として行うのであれば商号を決めることになるでしょう。

ここで、名付けたのは自分なのだから自由に使えると思われた方は要注意です。

これらの商品名・サービス名・シンボルマーク・屋号・商号のどれも、商標として登録を受けておかないと、紛争に巻き込まれるおそれがあります。

商品名やサービス名は商標の典型的なものですので、もはや説明は不要かと思いますが、シンボルマークや屋号・商号はどうして商標登録が必要なのでしょうか。

シンボルマークは、商品やサービスの目印となる図形ないしは記号です。これも、商標としては非常に典型的なものとなります。

また、会社名は、登記をしたときに法務局からは問題があるとは言われなかったとしても、それは商号として登記されたに過ぎませんので、商号を商標的に使うことまでが認められたことにはなりません。

屋号に至っては、個人事業の開業届を税務署に提出する際に記載をするものですが、なんらの審査もなされることはありません。

いざ商品やサービスをローンチしてから紛争に巻き込まれると、本来は本業に専念すべきところ余計な労力と費用を強いられることになりかねませんし、ことと次第によっては会社名の変更をせざるを得なくなる可能性もあります。

そうすると取引先への説明や、印刷物等の差し替え、ホームページの改修など、後ろ向きな作業に終われることになってしまいます。

屋号や商号を商標的に使うことというのは少なくありませんので、安心して使えるようにするためには、商品名やサービス名とともに、屋号や商号も商標登録をすべきです。

関連記事|会社名・屋号と商標について

売りたいものはなんですか?それ、特許権や意匠権で守れるかもしれません


あなたのビジネスの売りはなんでしょうか。他社にはない技術を持っている?製品のデザインが優れている?さまざまあるかと思います。技術的なアイデアやデザインは、登録要件を満たせば特許権や意匠権で保護を受けることができます。

しかし、保護を受けるための出願をする前にそのアイデアやデザインを対外的に公開してしまうと、他人に模倣されてしまうこともあります。

さらに、出願をする前に対外的に公開してしまうと、公開したことや他人の模倣行為に起因して登録を受けることができなくなってしまいかねません。

登録を受けられないと、他人の模倣へ対処のしようもなくなってしまいます。

こうした残念なことにならないよう、何を出願するかのみならず、何をいつ、どう公開するのかという点も含めて、弁理士のアドバイスを受けておくべきであると言えるでしょう。

資金計画には知的財産の権利化費用も入れましょう


知的財産の権利化には、どうしても費用が伴います。ご自身で特許庁に手続きを取ることにすれば、弁理士費用はかからないかもしれませんが、適切かつ効果的な権利取得には、相応の知識と経験が必要です。

しかし、創業や新規事業の立ち上げの段階では特に本業に注力をすべきであると言えるでしょうから、知財面でのフォローは専門の弁理士に任せることで、本業に注力頂くというのが宜しいよう思われます。

知的財産の権利化のための費用というのは、事業を開始してから権利化費用を参入すると、その後の資金繰りにも影響をしてしまうこともあり得ます。

しかし実は、こうした費用は、補助金や助成金で賄うことができる部分もあります。最初の段階で、弁理士に相談をして、見込み費用や資金調達方法をわかっておくというのは非常に大切になります。

当事務所では、各士業と連携をして資金調達の部分も含めてアドバイスに取り組んでいますので、起業・新規事業の立ち上げの際にはお気軽にご相談頂ければ幸いです。


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