わかって納得の知財ブログ

052:【受験生向け】弁理士試験に独学で合格した話②「なぜ独学を選んだか」

今日は第二東京弁護士会の企画で、士業交流会に参加しました。第1部がZOOMを使った意見交換会、第2部がSpatialChatを使ったオンライン飲み会。3時間があっという間で、素敵な先生方とお知り合いになることができました。取り仕切っていただいた先生方、どうもありがとうございました!

この士業交流会には、弁護士のほか、司法書士、公認会計士、税理士、不動産鑑定士、社会保険労務士、中小企業診断士、そして弁理士が参加するという多彩ぶり。特に不動産鑑定士の先生とお会いするのは生まれてはじめて。聞けば全国に9,000人程度しかいないということで、なるほどそれはレアだなと思いました。弁理士も同じくらいですね〜と話していましたが、確認したところ、先月末時点で12,000人弱ということでした。全然同じじゃなかったですね。この場を借りて訂正させて頂きます。

さて、なぜ独学合格のタイトルでこんな話をしたかというと、実は、独学で弁理士試験を目指すことにしたことと、関係したお話が出たためです。その場で自己紹介をしていたところ、こんな人ほかにいないでしょう!という話になりましたので、具体的な方法論に入る前に、僕がどういうバックグラウンドの人間なのか、改めて書いていきたいと思います。

目次


  • 元公務員×花火大会運営×弁理士試験独学合格は<激レア>らしい
  • 独学を選んだのは物理的に予備校に行けなかったから
  • 独学でもなんとかなるし、未経験でもなんとかなる

元公務員×花火大会運営×弁理士試験独学合格は<激レア>らしい


ホームページのプロフィール欄にも記載をしていますが、僕は、大学卒業後は東京・調布市役所に入庁しました。最初の配属先は、地域の観光振興を通じて地域の発展を目指すという部署で、主な担当が「花火大会の企画・運営」でした。

今でも、新卒の右も左もわからない奴にこんな仕事を任せて、上司としてはさぞ不安だったろうと思いますが、おかげさまで徹底的に叩き込んで頂いたので、短期間で成長できました。当時の上司や関係者の方々には感謝の気持ちでいっぱいです。

花火大会といえば、夏に開催されるイメージですが、近隣の大型イベントや警察・消防の予定との調整など、さまざまな事情から、僕が担当していた時期の花火大会は7月〜10月の間を行ったり来たりして開催していました。

一方の弁理士試験は、最初5月に短答式試験、次に7月に論文式試験、最後10月に口述式試験の3部構成となっていますが、論文式試験は2回に分かれていますので、日程としては4回、コンディションを整える必要があります。

しかし、花火大会の開催日の直前3ヶ月くらいは激務どころの騒ぎではなく、仕事をしながらの受験勉強などとてもできたものではありませんでした。

もっとも、論文式試験の選択科目(僕は民法を選びました)は、一度合格すればその後は再受験の際は免除という扱いでしたし、短答式試験と論文式試験の必須科目は、一度合格すればその後2年間は免除してもらえることになっていました。

こうした中、免除制度をうまく活用しつつ、運よく花火大会の開催時期がズレたタイミングで、毎年1ステージずつ試験に挑んで行った。これが合格までの道筋になります(なので、僕は試験には「一発ずつ合格した」と表現しています)。

件の交流会で、このような話をしたところ、「花火大会やっていた公務員が独学で弁理士試験に合格」って、<激レア>ですねとか、<知らない世界>ですねとかいうように、某人気番組を想起させる話題になったことに、番組としてネタになるかはともかくとして、我ながら目から鱗でした(美味しく料理して頂けるようであれば喜んで出演させて頂きます)。

ここのところはどこの花火大会も中止続きで観に行けていませんが、色々な花火大会に行くとどうも運営側の目線で見てしまうのは抜けません(本当に)。確かに考えてみれば、この業界、「元公務員の弁理士」は結構いらっしゃいますが、「花火」とか「独学」というフィルターを加えると、こんな人は探してもまず見つからないのではないかと思います。こんな人、他にいるのでしょうか。どなたかご存知でしたらお会いしてみたいですね。

独学を選んだのは物理的に予備校に行けなかったから


前置きが長くなりましたが、タイトルに関係したことを書いていきたいと思います。前回の記事で、僕は訳あって独学にしたということを書きました。

前回の記事はこちら|051:弁理士試験に独学で合格した話①

これはお金の問題というより、予備校に通うということが現実的に無理ではないかという予想がありました。公務員というと、8時半から5時半まできっちり働いて、残業なしの超ホワイト職場というイメージが一人歩きしていますが、実際の公務員は、結構な割合で夜まで業務に当たっています。

もちろん、官庁や部署によっては残業ほぼなしというところもあるようですが、前述のように、当時僕がいた部署はイベントの運営が年中ありましたので、残業や土日出勤も少なくありませんでした。

しかし、いざ弁理士試験のために予備校に通おうとすると、通常7時くらいから講義が始まりますので、遅くともその1時間前には職場を出ないといけない訳です。しかも毎週決まった曜日に、1年を通じてコンスタントにです。

イベントが開催される時期や予算・議会の時期は残業が増えますし、花火大会の直前期となれば、、、とても通うことなど不可能だった訳です。

「3ヶ月も通わなかったら絶対やらなくなる・・・。」

「通信教材は性に合わないし、積ん読になっても嫌だ・・・。」

そう思った僕は、予備校に通わないことにしました。ひとまず自力でやってみて、ダメならその時考えることにして。

独学でもなんとかなるし、未経験でもなんとかなる


予備校に通うことを諦めた僕は、情報収集から始めます。この辺りは、回を改めて書いていきたいと思いますが、当時から法改正が盛んになされていて、予備校生との情報格差に悩まされたこともありました。

ですが実際は、合格してからも結構大変ではありました。英語に至っては、お恥ずかしながら高校の時に全国模試で偏差値40を叩き出したこともありましたので、公務員を辞めて弁理士として活動をするときに、いきなり英語で仕事をすることなんてできるのか。。

そんな不安もありましたが、おかげさまで大禍なく多くの案件を取り扱ってくることができ、今こうしてブログのネタにできているので、なんとかなるものです。

元々知財・特許業界内にいる人が、働きながら予備校に通って合格するというパターンが多いのが弁理士界隈です。しかし、全くの別世界から突撃してもなんとかなった人がいる、ということをお伝えすることで、弁理士という職業に興味を持ちつつも不安を感じている方に、多少なりのエールを送れるのではないかなと思うところです。


<<お問い合わせはこちらから>>

この記事の内容について詳しくお知りになりたい方は、
以下のボタンからお気軽に当事務所までご連絡ください。


にほんブログ村 経営ブログ 法務・知財へ
にほんブログ村 ランキング参加中です!

PAGE TOP