平成15(行ヒ)265最高裁判所第三小法廷:審決取消訴訟(4条1項8号:承諾の有無の判断基準時)

日本では、他人の肖像や氏名などを含む商標は、その他人の承諾を得ない限り商標登録を受けることができないこととされています。

この事件では、その承諾の有無を判断する基準時がいつであるのかが争点となりました。

本件は、アメリカ合衆国の彫金師であり、銀製アクセサリーのデザイナーの氏名「LEONARD KAMHOUT」からなる商標についての行政事件で、商標法4条1項8号の趣旨について、

その趣旨は,肖像,氏名等に関する他人の人格的利益を保護することにあると解される。

とした上で、承諾の有無の判断基準時について次のように判断しました。

出願時に8号本文に該当する商標について商標登録を受けるためには,査定時において8号括弧書の承諾があることを要するのであり,出願時に上記承諾があったとしても,査定時にこれを欠くときは,商標登録を受けることができないと解するのが相当である。

この事件は、一度提出された同意書について、後日同意撤回書が提出されたことに伴い出願が拒絶されたことから、どの時点での承諾が必要かが争われたものとなります。

判決文はこちらからご覧ください。

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